FM高知 Hi-Six Morning Click! 「聞かせて高知県」
RKC高知放送 久保田ヒロシの気分は上々
2013年4月放送
ラジオ番組内容(原稿)

【乳幼児健診について】

アナ)乳幼児健診は、どのようなものが行われていますか?

高知県健康対策課 以下・で略)
・ 乳幼児健診は、お子さんのすこやかな成長のために、病気の予防と早期発見をはじめ、健康状態や成長発達をみながら育児全般のサポートをする目的で行われており、成長の節目に行われます。
・ 市町村が行っている乳幼児健診は、1歳になるまでに行われる乳児健診と、1歳6か月児健診、3歳児健診があります。

アナ)乳児健診はどのようにして行われていますか

・ いずれの市町村でも行われているのは、受診券をもって、小児科へ行って無料の健診を受ける方式です。標準的な市町村では、受診券は2枚交付されますので、頸がすわる4か月ごろ、おすわりとはいはいができ、つかまり立ちが始まる10か月ごろの受診が勧められます。
・ なお、1か月の健診は、新生児期の一般的な状態を確認するものです。4,10か月で受診券をお使いになる前提では、自己負担でお受けいただくことになりますが、お子さんが小児科デビューを果たす時でもあります。また、生後2か月から予防接種が始まりますので、1か月健診のときからかかりつけの小児科を決めて、今後の予防接種のスケジュールを作ってもらいましょう。1か月健診に、受診券とは別に助成制度を設けている市町村もあります。

アナ)乳児健診では、受診券を持って小児科で受ける以外に、集団健診をしている市町村もあると聞いていますが

・ 乳児健診は、できれば生後6か月までは毎月、6か月からお誕生日までは2か月に1回受けるとよいといわれています。
・ そのため、受診券での受診とあわせて、ほとんどの市町村では集団健診を行っています。集団健診では、育児上の相談や離乳食講習などの保健指導が組み合わされています。また、市町村の保健師さんと知り合いになるチャンスですので、心配事や相談事があれば相談しましょう。
・ 受診券と集団健診をあわせて2〜3か月の受診間隔になるように、受診券とうまく組み合わせていただければと思います。お住まいの市町村の保健師さんにたずねていただければ、受診の仕方を教えていただけます。

アナ)1歳を過ぎたら、どのような健診があるのですか

・ 1歳6か月児健診と、3歳児健診があります。

アナ)1歳6か月児健診はどのような内容でしょうか?

・ 1歳6か月を過ぎると、歩けるようになり、言葉もいくつか話せるようになっています。活動範囲も大きく広がっていて、育児面では生活習慣をつくる重要な時期です。また、歯が生えてきて、むし歯が気になる時期でもあります。
・ 乳児期から幼児期に移る節目に当たりますので、この健診では、お子さんのこの時期の身体の発育やこころの発達を確認します。また、歯の健診を行います。
・ この時期からの健康面・育児面に対する心配事や不安を相談できます。
・ 時期は、1歳7か月から10か月ごろにご案内している市町村が多いようです。

アナ)3歳児健診はどのような内容でしょうか?

・ 1歳6か月と同様に、発育発達のチェックや内科診察、歯科健診に加え、腎臓や、尿管や膀胱の病気を発見するための尿検査、そして視聴覚検査が行われます。健康や子育てに関する相談も受けられます。
・ 時期は、3歳4か月から6か月ごろにご案内している市町村が多いようです。

アナ)視聴覚検査も行われるのですか。小学校にあがったときに検査を受けるイメージが強いのですが。

・ 4歳以降になると、本を読む時期になりますが、遠視や乱視があると、近くのものが見えないので、発達に支障をきたしてしまいます。また、強い遠視があると、内斜視や弱視と呼ばれる状態になっている場合があります。視覚検査では、3〜4%程度のお子さんに遠視や乱視、斜視や弱視が発見されます。もし発見されたら眼科でみてもらう必要があります。
・ 聴覚検査は、普通の音は聞こえますが、ことばの細かいところがよく聞きとれないという、中くらいの難聴を見つけるものです。ほうっておくと、ことばの発達が遅れてきます。2%程度のお子さんにこの状態があります。多くは中耳炎によるもので、耳鼻咽喉科に通院すればよくなりますが、時に内耳やきこえの神経に問題がある場合があり、専門的な医療が必要になります。
・ これらは、小学校にあがるときに発見したのでは間に合わないので、3歳児健診での早期発見が大切です。

アナ)乳幼児健診の受診状況はどうでしょうか

・ 実は、平成23年度の1歳6か月児健診の受診率は全国94.4%、3歳児健診の受診率は全国91.9%ですが、高知県はの1歳6か月児健診85.0%、3歳児健診では80.1%で、全国より10%も低く、残念なことに全国最下位となっています。
・ 未受診の方には、市町村から、次の受診機会のご案内をお手紙、お電話または家庭訪問をして行います。どうしても受診できない場合は、高知市以外の方には、県が土日祝日に年6回の広域健診を実施いたしますので、その時に受診していただくようにお願いします。

アナ)受診しない方の中には、具合が悪くなったら医療機関に行くから、保育所で健診を受けたから大丈夫というような声も聞きますが

・ 病気になった時の受診は、その病気に対する医療が行われます。また、保育所で行っているのは、保育所での集団生活を送るために必要な項目に絞った健康診断として行われています。市町村が行っている乳幼児健康診査は、その時期に応じた内容で、さまざまな専門職がかかわって行われています。
・ このように、単なる医療機関の受診や、保育所などの健診は、市町村が行っている乳幼児健診の代わりにはなりません。

アナ)最後に県民の方々に対するメッセージをお願いします

・ 乳幼児健診は、お子さんのすこやかな成長のために、七五三と並ぶくらい大切な行事だと考えていますので、必ず受診しましょう。