こどもの みみ はな のど ことば のパンフレット

 

こどもの みみ についての資料集

 

2.1歳6か月児健診用パンフレット
− この時期に大切な きこえの問題 −

 

3.三歳児健診用パンフレット
− 知っていますか 滲出性中耳炎 −

 

 

乳児健診用パンフレット

・注意事項
普及啓発目的に限り,資料の転載は自由ですが,転載にあたっては,
福永一郎(jinnta) および日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会
の名称を表示してください。
営利目的,商業上の利用,論文への引用,雑誌等への収載の場合は,
事前にご連絡ください。
Copyright (C) 日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会 1997


お子さんの耳きこえていますか

あかちゃんのみみのきこえについて

 
 お子さんが,健やかに成長してゆくことは,みんなの願いです。
 あかちゃんのきこえの問題は,多くは「音の方をむかない」「呼びかけても笑わない」
「呼んでもふりむかない」など,おかあさんをはじめ,まわりの人が気づくことで発見され,一部は健診で発見されています。
 もし,きこえに問題があって,そのまま気づかれないと,お子さんの成長に影響がでてきますので,できるだけはやく発見して,きこえの程度に応じて,聴いたり話したりするための治療(聴覚学習)を開始することが大切です。
 この時期のきこえの問題は,まわりの人が注意深く観察することが大切です。また,乳児健診は積極的に受診しましょう。
 
・あかちゃん(乳児期)のきこえと発達(おもなもの)
 

 1) 0〜2か月
   ・「突然の音にビクッとする」 など,大きな音によって反応がおこることがある。
   (大きくなるにつれて、次第に反応がおこらなくなります)

 2) 3〜6か月
   ・テレビの音に顔を向けるなど,日常の音に興味を示す(4か月頃から)
   ・お母さんの声にふりむく(4か月頃から)
   ・突然の大きな音にびっくりして泣き出す(5か月頃)     など

 3) 7か月〜1歳
   ・外のいろいろな音に関心を示す(7〜9か月頃から)
   ・歌や音楽にあわせてからだを動かして喜ぶ(9〜11か頃から)
   ・「オイデ」「バイバイ」など,人のことばに応じて行動する(9か月頃から)
                                など

 4) 1歳〜1歳6か月
   ・意味のあることばが出る(10か月〜15か月ごろ)
   ・目,耳,口などの身体の部位をたずねると指さす
   ・「新聞とってきて」など,簡単な言葉による言いつけに応じて行動する
                                      など

ご相談はお近くの耳鼻咽喉科医,または市町役場,保健所で


                    3月3日は耳の日です
               情報提供 日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会


 

1歳6か月児健診用パンフレット

・注意事項
普及啓発目的に限り,資料の転載は自由ですが,転載にあたっては,
福永一郎(jinnta) および日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会
の名称を表示してください。
営利目的,商業上の利用,論文への引用,雑誌等への収載の場合は,
事前にご連絡ください。
Copyright (C) 日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会 1997


お子さまが1歳6か月児健診を迎えられたお父さんお母さんへ

− この時期に大切な きこえの問題 −

 

・ きこえの障害というと,「全然きこえない状態」を思い浮かべるものですが,
一見,普通の物音に反応していたり,会話のやりとりができるようにみえる場合
でも,実はきこえに問題のあることがあります。
 もし,「中ぐらいの難聴」があると,話し声は「音」としては入ってくるので
すが,これが意味のある「ことば」としては十分にききとることができません。
ふつうは,目からの情報や雰囲気などで何とかついて行こうとするので,一見,
お話ができているように見えたり,言った内容がわかっているように見えるので
すが,ことばが急に増えてくる2歳児になると,次第にそれでは追いつかなくな
り,将来的にいろいろと問題がでてくることが多いのです。
 この時期のきこえの問題は,治療すれば治る「しんしゅつ性中耳炎」という中
耳炎によっておこっているものが多いので,早く見つけて治療しましょう。

・ おうちできこえの検査をしましょう
 
 おうちで,簡単なきこえの検査をしてみましょう。

 お子さんに気づかれないようにうしろにまわり,「ささやき声」で「なまえ」
を呼んだり,「シー」と呼びかけてください。何度かやりますと,聞こえてい
れば,ふりむきます。

 「ささやき声」とは,ないしょ話をするときによく使う声です。
 のどに手を当てて,まず普通に「アー」といってみてください。手が少しふ
るえていますね。次にひそひそ話の要領で,息を「はー」と出してみてくださ
い。今度は手がふるえませんね。このような息だけで出すような小さな声のこ
とを「ささやき声」と言います。この声は,中くらいの難聴があると聞こえな
いことが多いのです。
 たんなる小声とか,おもちゃのラッパのなる音などでは,音が大きすぎてふ
りむいてしまい,もし「きこえ」が低下していても見のがしてしまいます。
「ささやき声」をじょうずに出してみてください。
 この検査でうまくふりむいてくれないときは,遊びなどに熱中して相手にし
てくれていない場合もありますが,音を感じにくい病気があってきこえにくい
場合や,乳幼児によくみられる「しんしゅつ性中耳炎」という耳のなかに液の
たまる中耳炎があるなどで,きこえが低下している場合があります。
 何度やってもふりむかなかった場合は,専門機関でのきこえの検査を受けま
しょう。
 また,ことばが遅いようなばあいにも,きこえにくいためおこっていることが
あるので,専門機関でのきこえの検査を受けましょう。

 

ご相談はお近くの耳鼻咽喉科医,または市町役場,保健所で


                    3月3日は耳の日です
               情報提供 日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会


 

三歳児健診用パンフレット

・注意事項
普及啓発目的に限り,資料の転載は自由ですが,転載にあたっては,
福永一郎(jinnta),田野口二三子,酒井俊一 
および日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会の名称を表示してください。
営利目的,商業上の利用,論文への引用,雑誌等への収載の場合は,
事前にご連絡ください。
Copyright (C)
日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会 1992

 

(このパンフレット作成に尽力された田野口二三子先生(ST)は、平成9年 永眠されました。ここに哀悼の意を捧げます。)


知っていますか 滲出性中耳炎

・−どんな病気でしょうか−


 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は、鼓膜の奥の中耳というとこ
ろに液体がたまる中耳炎のことです。子供と老人によく見られますが、子供では
3歳ぐらいから6歳ぐらいまでに多く、「中耳カタル」「水がたまる中耳炎」な
どと呼ばれることもあります。
 中耳炎といっても、痛くもなく、耳だれもでませんので、気がつきにくく、
「少し聞こえにくい」「テレビの音を大きくする」「聞きちがいが多い」などと
言って耳鼻科を受診され、はじめて分かることが多いようです。なかには、鼻や
のどの病気で耳鼻科に受診されたときに、はじめて発見されることもあります。
 もし、治療せずに放置しますと、鼓膜が奥にひっついたり、悪い中耳炎になっ
て、一生難聴に悩まなければならないこともあります。

 

・−どんな症状があるのでしょうか−


 滲出性中耳炎は症状がとぼしいので、発見が遅れがちですが、だいたい次のよ
うなことがあれば要注意のサインです。


         *よく耳をさわる                            
         *急性中耳炎をくりかえす                    
         *中耳炎がなかなか治らない                  
         *ふつうに呼びかけてもなかなか返事をしない  
         *テレビの音を大きくしたがる                
         *電話でおしゃべりができない                
         *きき返すことがよくある                    
         *きき違うことがよくある                    
         *ことばが遅れているようだ                  
         *なんとなく発音がおかしい                  


 このような症状があったら、早く耳鼻咽喉科へ行ってみてもらいましょう。

 

・−とくに気をつけたけたほうがいい場合−


 つぎのような状態があると、かかりやすいといわれています。

    *よく「かぜ」をひいているような感じで、よくはなみずや咳がでる  
    *いびきが大きい                                                
    *よく鼻がつまっていて、口で息をしている                        
    *好き嫌いが激しく、偏食                                        

 そのほか、小児科で「気管支炎」「喘息」などで長期に通院している場合にも、
よく合併します。

 また、滲出性中耳炎は、急性中耳炎のあとに引き続いておこったり、鼻炎、扁
桃炎、アデノイド増殖などがあると起こりやすくなるので、これらの病気もちゃ
んと治療しておきましょう。

 

・−お子さんの聞こえを調べてみませんか−


  *ささやき声でお子さんのうしろから呼びかけて、返事をしたり振り向くか
   どうか調べてみましょう。

  *絵本を広げて、口もとをかくして、ささやき声で「くるまはどれ」などと
   きいてみましょう。

  *お子さんの耳の近くで、指をこすり合わせて小さな音を出してみて、聞こ
   えるかどうか調べてみましょう。

 
 

ご相談はお近くの耳鼻咽喉科医,または市町役場,保健所で


                    3月3日は耳の日です
               情報提供 日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会