■ 障害児保健の対象児に関する一考察
Copyright (C) 福永一郎 1996
障害児保健の対象児に関する一考察
<地域保健における障害児対策に関する資料>
JINNTA/Niftyserve FAIDS & FEDHAN staff/PDF01076
小著ですが,これはかなりプロ向けの話です。分析した内容は大したことはないの
ですが,公衆衛生の基礎知識がないと,考察の意図をご理解いただくのはちょっと
しんどいかもしれませんね。
出典:福永一郎,他.障害児保健の対象児に関する一考察.四国公衆衛生学会雑誌
41巻1号 242-246pp.
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香川県丸亀保健所 福永一郎
PDF01076@niftyserve.or.jp
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障害児保健の対象児に関する一考察
福永 一郎*,2* 實成 文彦* 吉原 健司*,3*
星川 洋一*,4* 真鍋 芳樹* 武田 則昭*
浅川冨美雪5*
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* 香川医科大学 衛生・公衆衛生学
2* 香川県丸亀保健所
3* 香川県婦人児童課
4* 香川県坂出保健所
5* 倉敷芸術科学大学
連絡先 〒763香川県丸亀市大手町2丁目2−1
香川県丸亀保健所保健予防課 福永 一郎
e-mail: PDF01076@niftyserve.or.jp
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要 約
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障害児保健の立案,実施等の基礎的資料を得る目的で,障害児等に関する普遍的な指
標についての検討を行った。今回検討した指標では,障害児保健対策立案等に関しては,
包括的指標として障害児学校・学級就学児数から対象児数を推測することが有用であり,
健診精度が高ければ,三歳児健診精密健診件数も有用な指標となり得ると考えられた。
あわせて,障害児保健の対象児の範囲等についても解説を加えた。
Key words : 障害児,三歳児健診,母子保健,精神発達,知的,指標
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はじめに
平成9年度の母子保健事業の市町村移譲にともない,市町村においても障害児保健に
取り組む必要性が増していると考えられ,保健所機能として,障害児対策の一端を担う
ことが強く期待されている。しかしながら,幼児期における障害児保健の対象児の出現
頻度等に加え,「どのような対象がどのような事業を必要としているか」ということに
関しても,いまだあきらかとされていな面がある。今回,障害児保健に関する行政施策
の立案,社会資源の開発,関係機関の連携構築等に際し参考とするため,主として知的
障害児に対する保健ニーズに関して,若干の数量的手法を用いて考察を試みたので報告
する。
方 法
主として知的・情緒面に障害を持つ児に対して,母子保健政策を立案企画し,保健活
動を行い,評価をするための一助として,概括的な指標を求めることを目的とした。他
の都道府県でも,同様の資料が比較的普遍的に入手可能であると考えられる資料を用い
て,障害児保健の対象児について検討した。香川の衛生,香川県児童相談所・香川県精
神薄弱者更生相談所業務概要,香川の障害児教育要覧を用いて以下の指標を算出した1
−5)。なお,人口は香川県人口移動調査報告により,平成6年10月1日人口を用いた。
1) 三歳児健診精神発達精密健診児数並びに同要指導児数及びその三歳児健診受診児に
占める割合,香川県児童相談所精密健診件数及び児童相談の心身障害相談件数
2) 療育手帳交付人数及び人口に占める割合
3) 精神薄弱養護学校小学部在学者数,同中学部在学者数,小中学校知的障害児及び情
緒障害児学級在籍者数並びに学級設置状況。並びに当該年齢人口あたりの在籍者数
結 果
1) 三歳児健診,及び児童相談からみた対象児数について
香川県下三歳児健診において,平成5年度の対象児は9,517人,受診児は8,449人であ
り,精神発達要精密健診児は 245人,精神発達要指導児数は1,318人で,各々受診児中
の2.9%,15.6%である。
香川県児童相談所での平成6年度の三歳児健診精密健診件数は 205件であり,肢体不
自由・視聴覚障害を除く心身障害相談件数は0歳児 3件,1歳児25件,2歳児77件,3
歳児205件,4歳209件,5歳151件,6歳93件である。
2) 療育手帳交付状況からみた対象児数について
平成6年度末での18歳未満の療育手帳交付状況を見ると,872人であり,18歳未満人
口208,864人に占める割合は 0.42%となる。全年齢での交付人数は3,814人であり,全人
口1,027,512人に占める割合は,0.37%となる。
3) 障害児教育就学者からみた対象児数について
精神薄弱養護学校小学部在学者数(平成7年)は 140児で,1学年あたり23.3児であ
った。また,精神薄弱養護学校中学部在学者数(平成7年)は 164児で1学年あたり54.
7児であった。また,小学校特殊学級在学児数(平成7年:精神薄弱と情緒障害の和:
肢体不自由,病弱虚弱,難聴,言語障害を除く) 570児で,1学年あたり95児であり,
内訳は精神薄弱482,情緒障害 88であった。中学校特殊学級在学児数(平成7年:精神
薄弱と情緒障害の和:肢体不自由,病弱虚弱,難聴,言語障害を除く)は 189児で,1
学年あたり63児となり,内訳は精神薄弱 176,情緒障害13であった。公立小学校におけ
る障害児学級は, 212小学校のうち130学校,155学級が設置されており,県内5市33町
に分布している。
この結果から,香川県下では, 1,063人,1学年平均で 118.1人が,精神薄弱あるい
は情緒障害の障害児学校・学級に就学していることとなり,香川県の平成6年10月1日
現在の6歳から14歳までの人口は98,470人であり,これから1学年の児童数を平均の10,
941人と仮定すると,これらの就学児は1.08%となる。なお,これには重複障害等で,
他の障害児学校や学級へ就学したものは含まれていない。
考 察
主な指標の特徴を表に示した。
従来より,保健サイドで,発達の遅れや,つまづきなどがみられる児を把握するには,
三歳児健診の結果や,児童相談所の判定件数等がよく用いられている。三歳児健診で精
神発達精密健診となる児の大部分は,知的障害あるいは情緒障害を疑うケースであると
考えられるが,実際に指標として使うには,精密健診結果を,ある程度評価することが
必要である。精神発達要指導となるケースは,母子分離不能や,単なる習癖,発達のつ
まづき等が多くを占め,その中に軽度の知的障害児も含まれていると思われるが,この
場合は継続的に観察しない限り,実数の把握は容易ではない。また,精神発達精密健診
は,受診拒否や未受診が少なくないことは現場ではよく知られた事実であり,精神発達
精密健診が必要な児のうち,実際にはどの程度を精密健診としたか,そして実際にどれ
だけ受診したという評価も必要である。また,香川県では,会場で個室を用いて簡単な
発達検査を行っているが,問診のみでスクリーニングし発達検査を行わない自治体の場
合では,精度及び出現頻度が低下し,評価が難しいと思われる。これらのことから,三
歳児健診の結果から引き出される対象児数はそのまま実態をあらわすとはいい難い面が
あるが,健診の精度が高ければ,未受診児が多い重度知的障害を除けば,有用な指標と
なると思われる。また,三歳児健診の受診結果と,児童相談所による精神発達精密健診
の結果を突き合わせてみると,さらに詳細な評価が可能である。
保健所,市町村等で,幼児相談事業6),親子教室7)などの事業が行われており,
保健所単位あるいは市町村単位ではこれらの参加状況を参考とすることもができる。と
りわけ,保健サイドでのこれらの事業は,いわゆるグレイゾーン児を対象とすることが
多いため,軽度の知的障害児の他に,発達上のつまづきにより,一過性の障害を来たし
た児や,幼児期に完治し障害を残さない特発性言語遅滞など,就学までに問題が解決す
ることの多いものも含まれており,参考に値する指標である。ただし,これらを利用す
るのは,障害児対策を必要とする児のごく一部であるため,包括的な指標にはなりえな
い。なお,一方で,幼児期後期を対象とした事業では重度知的障害児,及び中等度知的
障害児も含まれていない可能性があり注意を要する。
そのほか,福祉サイドの指標としては,中等度以上の知的障害児数を反映し得るもの
としてここであげた療育手帳の交付件数,特別児童手当の支給件数などがある。これら
は公表されたものでは年齢別の資料が得られないことや,申請手続きが煩雑なこと,ま
た保護者に障害を認めたくない心理が働いたり,周囲の偏見等で申請につながりにくい
などの問題点がある。なお,療育手帳の交付については,都道府県格差が指摘されてい
るところである。障害児保育実施保育所実人員,心身障害児施設等の利用状況なども,
地域的に偏在があり,利用者という点で一つのデマンドを反映するものの,現状では利
用・参加しない児を捕捉する手段がないため,他の指標と併用して観察しなければ偏り
が生じる危険性が高く,これらをもって普遍的な指標としてとるには困難がある。むし
ろ,保健サイドで福祉制度利用者を把握するために,最低限おさえておくべき基本統計
という性格であろう。
保健・福祉サイドからの資料は,一般に利用状況を示し,用意された事業の内容や,
周知方法,健診の精度等のファクター等,保健福祉活動の質的内容にも大きく左右され
るのに比べて,障害児学校・学級在籍者から引き出される指標は,就学時健診の結果が
ある程度反映され,悉皆調査的な性格をもっている指標である。一部の例外を除けば,
幼児期から継続的に知的障害・情緒障害及び言語発達の遅れ等をひきおこしている件数
が直接的に示されるので,おおまかな出現頻度をあらわす性格を合わせもっており,利
用上注意すべき点はあるものの,実態を把握し,幼児期へとフィードバックさせるのに
は,有用なものであると考えられる。この結果は,障害の程度が重度の場合は,幼児期
の健診を受診しない児も一部にはあるが,1歳6か月児健診,三歳児健診等の受検児の
1%内外が,幼児期後期を経て,知的・情緒発達上の理由で障害児学校・学級へ就学し
ていることを示す。すなわち幼児期からすでに「継続的な保健サイドの取り組みのニー
ズが存在する」児の大まかな潜在的ニーズを数量的に示すものである。就学前後,及び
就学後の各指標の関係を図に示した。
なお,重複障害の場合は,知的,情緒以外の学校・学級に就学する場合もあり,また,
就学にあたっては,普通学級・特殊学級または養護学校のいずれを選択するかは保護者
の意向が大きく反映され,統合化(インテグレーション)の思想の高揚,保護者の意識
の変化,学校側の受け入れ体制整備等によって,普通学級に就学する知的・情緒障害児
も増えている。とりわけ,軽度の知的等発達障害を伴い,「グレイゾーン」の一部を形
成している児の大部分は,普通学級に進学していると考えられる。これらのことから,
就学時点で何らかの発達上の障害をもっている児の実数は,これより若干多いものと考
えてよいと思われ,留意すべき点である。
結びにかえて
本稿では,主として知的面を中心に発達に問題のある障害児を対象に検討してきた。
幼児期の障害児対策は,保健・医療・福祉・教育・労働,その他の社会的部門等の取り
組みが包括されて行われるべきもので,その一環である障害児保健では,障害の程度か
らみると,就学後に障害児教育の対象になる児に加えて,軽度の障害児や,幼児期で問
題の解決する一過性の発達のつまづきのある児が含まれる。
現在の母子保健領域の障害児に対する多くの取り組みは,健診のフォローアップが中
心で,集う場の確保,セルプヘルプグループの育成等まで発展しているところもあり,
保健サイドの機能をある程度は果たしている。しかし,実際に,保健サイドで扱われる
のは「かかわりが可能な児」が中心で,また「子育て不安」とか「養育環境」という点
で介入するので,直接的なデマンドに対応する部分が多く,一部の偏った対象に対する
非包括的なサテライト的事業になってしまう危険性も多くはらんでいる。医療・福祉あ
るいは教育領域の類似事業とパラレルな形で,保健サイドの事業が存在しているだけで
は,保健領域の本質的な機能を発揮しているとは言えず,障害児対策の一環としての障
害児保健という概念とは,若干異なってくる。
実際,重度,あるいは比較的早期に障害が明らかとなった児については,健診等に受
診しない場合も多く,出生時等,乳児期に接点がある以外は,保健サイドでのアプロー
チを行わない限り,保護者の側からの能動的な接点は見いだしにくいものである。また,
重度以外の児については,その多くが1歳6か月児あるいは三歳児健診での早期発見並
びに早期療育の対象であるが,言語発達の遅れ等の身体的な障害をもともなうため,児
童福祉法上の保健所での療育指導の対象でもある。これに加えて,グレイゾーンとして
包括される軽度の知的障害児,及び「境界」といわれる児や,さらに発達の一時的なつ
まづきのある児,特発性言語遅滞のような幼児期に問題が解決する児が多く含まれてく
る。しかしながら,これらの潜在的ニーズのうち,実際に,保健サイドに対して,直接
的デマンドとして現れてくるものは,あまり多くはない。
現時点では,保健サイド以外での十分な地域療育システムも用意されているとはいい
難い現状であり,システム化を図る必要がある。また,またコーディネートあるいはア
ドバイザー的な公的機関としては,児童相談所があるとはいえ,残念ながらかなり広域
をカバーすることになるため,地域に密着した形で利用しやすい形態であるとは言えな
い。必要な情報を提供し,コーディネーションを行うことは,保健所機能として,今後,
能動的に取り組む必要があるものと思われる。
本稿で述べた,障害児教育対象者を指標として保健活動の企画あるいは評価をするこ
とは,従来の保健サイドではあまり留意されることがなかったものであると思われ,保
健現場従事者には,奇異な感覚を覚えるものであるかもしれない。実際,この指標の中
には,普通学級に進学した障害児,及び幼児期に問題が解決した児は含まれてこないこ
とや,前述の直接的デマンドとの相関については不明な点も多く,今後検討の予定であ
るが,この障害児教育の対象児の指標は,少なくとも,現状ではその子が長期間をかけ
てハンディキャップを克服する必要があることを直接的に示している。理想的には,乳
幼児期母子保健における障害児対策の評価をするためには,その子たちが就学以前にも
っていたニーズに関して,保健サイドからのアプローチが十分であったかを測る必要が
ある。現状では,そのニーズの大部分は保健サイドには届いていない「声なき声」であ
ると推測され,それを現場担当者は発見する努力が必要である。そのためにも,概括的
な数字としても障害児教育の対象となった児の割合は有用であり,保健活動を行う上で,
当然捕捉されるべき指標であることは論を待たないものと考える。障害児療育,あるい
は教育の「コーディネーション」,障害児に関する諸資源の情報(情報機能)を求め,
必要な調整(連絡調整機能)を行うことは8),本来,保護者が自分で全てを行うもの
ではなく,すぐれて保健サイドにその機能を求められるものであろう。直接的デマンド
に対応することは重要であるが,さらに潜在的ニーズを発見し,抜本的な取り組みを考
慮しなければならない。すなわち障害児対策の一環として,保健・医療・福祉・教育等
を包括した観点から,潜在的な保健ニーズを発掘し,需要と供給のミスマッチを起こさ
ないようなトータルな整備へと発展させることが望まれる。
なお,障害児の保護者からよく指摘される事項として,健診,相談等のいろいろな場
面で,親にとって「自分が責められる」ような応対をされる,すなわち「育て方が悪い
から障害が起こった」という発言をされることがあげられる。障害の「発見」という比
較的初期の段階に位置することの多い私たちは,発達障害の集学的検索を怠り,安易に
家庭環境(ひいては養育者である親)に主因を求めようとする担当者(著者を含めて)
の非科学的な態度が,いかに多くの保護者を苦しめていたかを,もっと知らなければな
らない。この子どもたちや保護者たちと保健サイドにいる私たちとは,ともに歩いて行
く姿勢をもつことが必要ではないかと愚考する。
また,就学後も,学校教育の場が児童の生活の全てではないはずであり,そこには家
庭があり近隣(あえて地域とは言わない)がある。最近では,一部の地域では,放課後
のデイサービス的取り組みや,障害児を受け入れる民間塾もあるなど,情勢も変化して
きつつある。これらの学校内外での障害児をめぐる総合的取り組みの中に,保健ニーズ
が存在するし,たとえ保健と教育が連携をとることが難しくとも,家庭を接点とした何
らかの補完的役割も保健サイドには期待できる。これは理想論で,実現困難であっても,
学校現場での問題を母子保健現場にフィードバックさせ,逆に学校にメッセージをおく
る必要性は存在すると思い,今後の課題であると考える。
(受稿 1995年11月30日)
文 献
1) 香川の衛生 平成6年刊行版. 香川県環境保健部.高松:1994.
2) 香川県児童相談所・香川県精神薄弱者更生相談所業務概要 平成6年度.高松:1995.
3) 香川の福祉 平成7年度版.香川県民生部.高松:1995.
4) 香川の障害児教育要覧 平成7年度版. 香川県教育委員会.高松:1995.
5) 香川県人口移動調査報告 平成6年度. 香川県企画部統計調査課.高松:1995.
6) 小山裕子,福永一郎,安部紀美枝,他.障害児保健における保健所の果たす役割につい
て. 保健婦雑誌 1995;51:221-225.
7) 佐野昌美,名尾純子,中島恵美子,他.保健所における親子教室−その現状と課題−.
四国公衛誌 1995;40:101-104.
8) 福永一郎.乳幼児の難聴と地域での保健活動.日本公衛誌 1994;41:959-964.
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表 主な指標の特徴と問題点
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1.三歳児健診関連指標
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○ メリット
悉皆調査的指標である
● デメリット
未受診者についての情報が得られにくい
指標の信頼性が受診率に左右される
重度障害児は受診しない可能性が高い
健診の精度の影響を受ける(ある程度の評価が
必要である)
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2.児童相談所利用関連指標
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○ メリット
ある程度,障害別に示される
三歳児健診では,法的には児童相談所が精密健
診機関であるので,ある程度は悉皆調査的に示さ
れる
● デメリット
延べ数で示されるものは,利用回数が頻回に及
ぶ指標は使いにくい
精検受診率が低いなどで,利用しなかった事例
が多ければ信頼性が落ちる
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3.福祉制度利用状況から引き出される指標
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○ メリット
療育手帳の場合は,障害児数が確定した実績と
して示される
施設・事業等実績数の場合は直接的なデマンド
を示す
● デメリット
措置によるものは,申請主義をとるため必ずし
も実態をあらわしていない
措置状況に,自治体格差が指摘されている
軽度の障害児は含まれない場合が多い
療育手帳以外は,行動指標あるいは活動的指標
としての価値となり,疫学的に有用な指標にはな
りにくい
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4.障害児学校・学級就学状況から引き出される指標
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○ メリット
悉皆調査的な性格をもつ指標である
障害児数が確定した実態として示され,信頼度が
高い
地域分布がある程度わかる
● デメリット
就学先に普通学級を選択した障害児は含まれない
障害が中等度以下の場合は,就学状況が市町村教
育委員会の就学指導状況の影響を受ける
幼児期にフォローを要する特発性言語遅滞児や一
時的な情緒障害児などは含まれない
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図 省 略
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